現地採用者としてタイで働く人へのインタビューシリーズ。
第7回目はバンコクでメディア事業を営むDACOにて働いている宮島麻衣さんです。
この記事では彼女の、
- 日本におけるお仕事
- 海外に至るきっかけ
- フリーランスを経て、タイに来る経緯
- タイでの仕事の探し方、仕事内容
- 将来について
上記を語っていただきます。
宮島麻衣さん 36歳 長野県出身。埼玉大学卒業
<職歴>
出版社⇒芸能事務所⇒出版社(フリー)⇒DACO編集者⇒編集長(現在)
※簡易プロフィールは2019年6月現在。取材は2016年6月時点
動画で見たい方はこちらをどうぞ↓
目次
日本でのお仕事(新卒で営業⇒編集者)
はい。東京の出版社に新卒として就職致しました。
最初の1年半は広告営業、その後5年間は男性ファッション誌の編集部で編集者をしていました。
子供の頃から文書を書くのが好きだったんです。
小学生6年生の時に地元の新聞に出て賞をもらったりしていました。
作文の授業でも書き終わるのが早くて褒められたり。軽く勘違いしますよね?(笑)
あと高校時代はファッション紙が大好きで、どれが可愛いとかで盛り上がったり、雑誌を切り抜いて保存したり。
当時はZipper、CUTiEなどをよく読んでいました。
その頃の親友とは
マイが出版者として勤務して一緒に仕事しようよ!
みたいな話で盛り上がっていましたね。
はい。当時の会社の方針として、「編集者もお金の流れを分かった上で編集に入るべきである」という考えがありました。
なので、最初は広告営業として勤務をしました。20代女性のファッション紙面が担当です。
アパレルメーカー、コンタクトレンズ、流通のテナント(デパート系)先に飛び込み等で営業をしていましたね。
私は男性雑誌の編集職として異動しました。
仕事の流れとしては、まずは企画を考るところからスタート。
そして編集長からOKをいただいて決まった企画が戻ってきます。
編集長が「こういう企画をやりたい」という意図があるので、それに合う形でどうやったら格好良く見えるか?
考えながら絵コンテを書いて、ページ割りを決めます。
その後、スタイリストにテーマに合う服を用意してもらい、カメラマンと打ち合わせをしてモデル決め(ブッキング、ギャラ交渉も含む)です。
そこまで決まったら、外出です。
実際のロケハン(撮影場所の下見)をして撮影。撮影日のディレクションも編集者の私の仕事になります。
撮影後に自分で原稿を書く、もしくはライター使う場合は意図を伝え発注をします。
実際に使う写真を編集長と選択をし、写真の文字を何文字使うなどの打ち合わせをデザイナーと行います。
その後にデザイナーからあがってきたデザインをつめて、できあがった文章と合わせます。
最後に関係各所に校正チェック依頼、自分と編集長で校正をして完了です。
この一連の仕事をしながら、完了する頃には次の号の撮影が入っているようなイメージですね。
企画から考えると、いつも3号分かぶってるよう状態でした。
激務でしたね。徹夜する時もありましたし、土日出勤も多かったです。
企画が通らない、写真取り直し、文章もリライトさせられるなんてことは日常茶飯事でした。
通すための企画を考えるのも大変です。
外出先にいるときに編集長から電話かかってきたら怖くて出るのが嫌だったですねぇ(笑)
何年やってもダメだしされて、これは才能がないのかなと・・・。
その時はこのまま30歳を越えるのは無理かなと思って辞めました。
でも今思うと、その5年間で鍛え上げてもらった糧で今も生きていられるな、と感じています。すごく感謝しています。
その時代がなかったら編集の仕事はできていなかったですからね。
ただその当時はそんな余裕はありませんでしたけど(笑)
日本での生活、お仕事について(ニート~)
半年くらいニートをしていましたね。ぼーっとしてました。
これからどうしようかなって。そんな時に舞台作品のチケットを売る営業職員の募集を見つけまして。
学生時代に演劇が好きでやっていたので、応募して契約社員としてそちらの芸能事務所に入社しました。
舞台を見に来ていただくために、学校や企業に営業に行っていました。
企業の場合は社員の慰労会として、宴会も兼ねて来てくれるんです。
あとはカード会社にも営業に行きましたね。
カード入会すると割引チケットをもらえたりしたことがありませんか?あれですね。
すぐに辞めるつもりもなく、そのまま続けていこうと思っていました。
一緒に働く仲間とも仲良く働かせてもらっていましたし。業務時間外に一緒にランニングしたり。
それまではランニングなんて全く興味はありませんでしたけど、この頃から走ることが趣味に加わるくらい楽しかったです。
だから順調ではあったんです。でも・・・働いているうちに気づいてしまったんですよね。
営業チラシを作る自分のほうが好きなこと。物を作ったり、宣伝文を作るほうが楽しいという事実に。
日本での生活、お仕事について(出版社フリー契約~)
はい。自分の思いに気づいた頃から、編集者としての仕事を改めて探すようになりました。
そして休日に美容院に行った際に、偶然見かけた女性向けライフスタイル誌で編集スタッフ応募の記事を見かけて応募。
フリーランス契約ですが常駐契約として勤務を始めました。
こちらは会社員時代よりも給与条件が良いくらいでしたね。
ランニング特集をやることも多かったので、趣味がそのまま仕事にもつながっていました。
1人1人の裁量権が大きく自由にできて、編集の仕事がすごく楽しく感じました。
私はファッションよりも、読み物マガジン、取材とか行くほうが好きなんです。
その流れでバンコクにも取材に来ましたね。2015年2月くらいの頃です。
フリーランス⇒タイ移住を選ぶ
直接の原因としましては、部署の大異動がありましたのでそれで離れることにしました。
携わっていた雑誌がリニューアルになり、チームの皆が散り散りに異動になったんです。
フリーランスとして働いていたので、そのまま残るか契約を切って企画ごとに入るか否かの決断を迫られました。
しかし私は社員でもないし、それならこの機会で離れても良いかな、と。
その時は東京でも良いと思ったんですが、タイのバンコクに住んでみたいなと。
いえ。就職するまでは日本から一歩も出ないで一生を終えたいと思ってました(笑)
興味がなかったし、ただ漠然と怖いっていうイメージがありましたね。
ですが、最初に就職した出版社で海外取材でヨーロッパ等に行く機会も多かったので、自然と海外には興味がわくようになりました。
取材でちょうど1年前にバンコクに来て。もう直感でここに住みたい!と思ったんです。
別に海外ならどこでも出たいというんじゃなくて、ピンポイントでバンコクに住んでみたい!って感じでした。
タイで編集者として内定するまで
編集の仕事がしたかったので、試しにネットで「バンコク 編集 求人」と打ったら編集者を募集していたんです。
バンコクに住む日本人向けフリーペーパーを発行している会社です。DACO(ダコ)と言います。
スカイプ面接を通して、内定を得ました。
その後に職場見学どう?と聞かれたので、せっかくなので、バンコクまで見に行きました。
編集経験と、女性目線。あとはやる気!なんだか社長とウマがあうんですよね。
入社前に企画を3つ出して下さいって言われましたが、10個以上提出しました。
ただ全ての企業が案件を公開しているわけでもないです。
編集もふくめ、一般的な転職であればエージェントを使う方が効率的です。
詳しくは下記記事をご参照ください。
タイで内定後、家を決めるまで
はい。バンコクの就職の体験談を見たいなと思った時に、バンコクで働いている人の記事を見つけまして、それで直接お話しを聞いてみたいなと。
ディナークルーズで知り合いもできましたし。現地採用で働いている人って普段は会うこともないので、その繋がりができたのは良かったです。
今、食事会とか誘われても駐在の方が多いんですよ。
現地採用に強いチャイカプさんならではだな、と思いました。
相部屋かと思っていたので、個室でびっくりしました。
話も色々聞ける感じだし、あと思ったより自由でした。
他の人に気をつかわなきゃいけないと思っていましたけど、シャワートイレも別だし快適でしたよ。
特に女子は喜ばれるのではないでしょうか。
就職活動中にシェアハウスに滞在する方が多いです。
※現在は受け入れ停止中です。
また、バンコクで家を探したい方は下記をご参照ください。
タイでの編集者としてのお仕事
フリーペーパーの編集です。一企画一担当制なので、自分のペースで作りやすいですね。
日本の観光ガイドブックの編集手伝いもやっています(取材、原稿作成など)。
DACOでは自分でライターをやるのが基本なので、編集の仕事が重なると大変です。
日本語95%、タイ語3%、英語2%です。タイ人スタッフは日本語を話せる人がいるので、この割合ですね。
裁量があって、いい意味で完全お任せです。
日本では上の人の許可がないと企画や写真も動かせないことが多いですが、こちらでは「任されたことは好きにやってみて」と言われます。
もちろんそこに責任はありますけど、やりがいも大きいですよね。
結構夜遅くまでいますけど、(担当記事があると遅い時は深夜12時や日付変わるまで仕事をする時もある。)
管理されていると感じていないから、辛いと思ったことはありません。
やりがいもあるし、とにかくストレスなく毎日超楽しく働いてます。あと、社長が・・・ふふw
社長がめちゃくちゃ面白いんです。人生で1番面白い人かも(笑)
本人はまっすぐ生きているつもりだけど、超斜め上をいっているんですよねぇ。
飄々としているし、自分が社長なのに当事者というより、超俯瞰して見ているといいましょうか。
では、取材をしていて感じる楽しさって何でしょうか?
タイ人はサービス精神が旺盛だなって感じます。
飲食店とかモリモリに料理を出してくれるんですよ。カレーを撮影していたら、人数分のご飯やドリンクも出してくれて。
あと、寛容ですよね。飲食店で写真撮影する時に、お客さんが写っちゃっても問題がなかったり。
日本人と比べてSNS等に写真をあげられることへの抵抗感が少ないなぁって思います。
道のど真ん中で写真撮影をしていても避けてくれたり、文句も言わずに待っていてくれますし。
その辺のおおらかさには感謝していますし、一緒にやっていて楽しさも増しますよね。
タイ人スタッフに自分の意図を100%伝えるのは難しいですね。特にカメラマン。
日本語ができるスタッフを通すか、「こういう絵をとりたい」と、絵をかいたりして伝えています。
あとは英語のメール返信でしょうか。
本当に英語ができないので、メール1本返すのも時間がかかるので、それが少し苦痛なくらいですかね。
基本的に出社が10時なので、早朝にタイ語学校に通っています。
7-9時の時間帯です。入稿前とか深夜まで働いたあとに早起きしなきゃいけないのは辛いですかね。
タイでの生活について
BTSスカイトレインを利用しています
日本人向けのお給料もらえているので、不自由はないかなぁという感じです。
むしろ会社にデキるタイ人の子たちが多いので、一生懸命やらないと申し訳ないなぁと思っています。
タイ語学校に行ったり、友達とご飯いったり、YOUTUBE見たりしています。
かなりざっくりですが、1ヶ月の支出は、
- 家賃・電気・水道:12,500B
- 携帯・インターネット:1,500B
- タイ語学校:8,200B
- 食費:6,000~8.000B
- 服・マッサージ・美容院:1,000~1,500B
- 交通費:2,000B
合計で31,200B~33,200B(約10,9000~115,000円)くらいでしょうか。
タイ就職について
タイ人の仕事観を尊重すること。
タイ人が日本人より仕事ができないわけじゃなくて、仕事というものの捉え方が違うということを理解することではないでしょうか。
日本に来ているタイ人を矯正するならまだしも、日本人が外来種なわけです。
そもそも育ってきている仕事感も違いますもんね。
仕事のプライオリティがそこまで高くないです。お父さんが遅くまで働いて帰ってくるわけではないですし。
ハッピーに働くことをメインとしていますからね。夕方に涼しくなったから、仕事抜け出してジョギングして帰ってくる人とかいるくらいなので・・・w
特に何も考えていません。いい歳なのに。でも、なるべく長くいたいとは思っています。
仕事も順風満帆、生活も充実していますので。当面はまずDACOをナンバー1マガジンにすることが目標ですね。
ただ結婚して子供は産みたいです。ここまでずっと同じ職種で来ているので、多少ブランクが空いても最悪何かしらできる気はしています。
私は毎日楽しいですけど、特に人に勧めようとは思いません。
今、日本で活躍できて満足できているなら日本にいればいいし、無理に海外に出る必要もないでしょう。
ただ、いざとなったときに「どこにでも住めるさ!」と思えるようになったのは財産かなと思います。
考えて迷っているくらいなら来て働いてみたらよいのではないでしょうか。
合わなければ帰りましょう。ただ日本で働くよりも楽とは思わないほうがよいですよ。
TVの煽りには惑わされずに。楽園みたいなイメージではなく、皆さんしっかり働いていますよ。
何も行動しない人に比べるとだいぶマシですが、それでも下調べが少なすぎる人がいるのも事実です。
しっかりと日本でもできる準備はした上で、渡航しましょう。
タイで編集者として生きる。DACO 宮島麻衣:まとめ
宮島さんはインタビュー中も人を惹きつけるような笑顔と対応をされる素敵な方でした。
話を聞いていて強く感じたのは、自然体で仕事を本当に楽しんでいらっしゃるんだなということです。
同じ日本人(駐在も現地採用も両方)でも、人によっては仕事や会社の愚痴ばかりの人も少なくありません。
組織に所属している以上、100%完璧な職場などはないでしょう。
ただそれでも、自分が活きる環境へのトライとそのためのキャリア形成の努力は大事ですよね。
まだ働きたい国が確定していない方。そういう方は、日本にいながら「世界ではどのような求人に需要があるのか?」
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また、宮島さんと違い、日本での正社員経験がないけど、タイで働きたい方は下記をご参照ください。
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Follow @genchisaiyouチャイカプ
タイ中心に部屋で働くのが好きな人です。
【経歴】新卒ブラック社畜→ニート→海外就職+副業→週3リモートワーク→デュアルライフ(日本↔タイ)
人材業界のRACAとして計7年以上活動し、現在は事業会社のRPO(採用代行)や複業キャリア講師としてフリーランスで活動中。
35歳から副業で複数サイト運営しながら、2021年からタイで金融投資(米&全世界)を開始。
2031年からサイドFIRE予定です。
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