海外に移住しても、日本の税金って支払わないといけないの?
海外移住をしようと考えた時に、知りたい事の1つに税金がありますよね。
海外移住をしたら、日本と移住先、どちらの国で税金を支払わないといけないのでしょうか?
気になりますよね。
目次
税金的に大事なのは『居住者』かどうか
実は、日本の所得税の課税基準は、日本の居住者かどうかで決まります。
ではその『居住者』とは、どういった条件の人を言うのでしょうか?
まずはそれらを見ていきましょう。
税法でいう居住者とは
税法でいう居住者とは、「日本に住所が有り現在まで継続して1年以上居所が有る個人」を言います。
住民登録の有無や滞在日数は、住所や居所の判断要素ではありません。
あくまでも客観的に見て、生活の拠点があるかどうかです。
それに加え、職務の内容や契約内容などによっても判断されます。
国外に生活の拠点を持っていても、要件を備えていれば日本の居住者となり得る場合もあるのです。
各国の居住者の判定基準は?
居住者の判定基準は、年間の日数で決まります。
183日ルールと呼ばれる、年間183日以上その国に滞在すると『居住者』とされる国が多いです。
主な国の居住者の判定基準の日数は以下の通り。
- 日本(183日ルール)
- オーストラリア(183日ルール)
- ニュージーランド(183日ルール)
- カナダ(183日ルール)
- シンガポール(183日ルール)
- タイ(180日ルール)
- マレーシア(182日ルール)
183日の国が多いですが、タイやマレーシアのようにそれより日数が少ない国もあります。
自分が移住しようとしている国が何日ルールなのかは、調べておくようにしましょう。
大前提は、非居住者は滞在日数のみによって判断するものではないということです。
非永住者なら支払う義務はなくなる
居住者であっても、非永住者なら所得税などを支払う義務はなくなります。
非永住者となるには、以下の事柄等が条件です。
- 日本国籍がないこと
- 10年間に5年以上住所居所を持っていないこと
- 日本に配偶者など生計を一にする親族がいないこと
非居住者は日本国籍のままでもなれますが、非永住者は日本国籍がない事が条件となります。
究極の節税『パーマネント・トラベラー(PT)』
究極の節税方法には、パーマネント・トラベラー(PT)というものがあります。
これは1つの国に定住することなく、複数の国を転々と移動すること。
それによって、合法的にどこの国にも税金を支払わない節税方法です。
実現する為には、3カ国以上の拠点を有していることが望ましいとされています。
海外移住するなら非居住者に!税金のメリット6つ
海外移住をして税金を節税したいとお考えなら、非居住者になるのがおすすめです。
どんな税金のメリットがあるのか、ご紹介していきます。
所得税
まずは所得税です。
非居住者になれば、『国外』の源泉所得に対しては所得税を支払う義務がなくなります。
相続税・贈与税
非居住者であれば、相続税や贈与税でもメリットが生じる可能性があります。
- 相続する側と相続される側が両方5年以上海外に居住している
- 相続する財産が海外遺産(海外で保有しているもの)である
以上2つの条件を満たせば、一切の相続に対する課税がかからなくなるのです。
住民税
住民税は、1月1日現在の住所が日本であるかどうかで決まります。
もし1月1日の住所が日本以外にある場合には、課税対象にはなりません。
国民年金
日本非居住者になると、国民年金を支払う義務はなくなります。
逆に、年金支給額を減らさない為に任意継続手続きを取れば、年金を支払い続ける事も可能です。
ただ先日一時帰国した際に改めて加入しなおしました。詳細は以下の記事をご参照ください。
健康保険
日本非居住者は、国民健康保険を支払う義務もなくなります。
ですがこちらも国民年金同様、何かあった時の為に健康保険に加入し続けておく事も可能です。
免税制度
こちらは主に、量販店や百貨店で利用できる制度です。
商品購入時にパスポートを提示する事で、消費税分の免税メリットを受ける事ができます。
日本非居住者のデメリット
日本非居住者になるという事は、メリットだけではありません。
気をつけておかなくてはいけないデメリットもあります。
- 租税条約
- タックスヘイブン対策税制
- 国外送金
上記税務点における、あらゆる点で注意が必要となります。
少しの間違いや勘違いが脱税に変わってしまう事もあるので、充分に気をつけておきましょう。
租税条約とは
日本は、56カ国と『二国間租税条約』を締結しています。主な役割は、二国間での「二重課税の回避」です。
一方の国の企業・個人が他方の国で稼いだ所得は、一方の国でのみ課税できるというもの。
「他方の国は課税してはならない」ということを、相互に取り決め承認しあっているのです。
二か国間の両方で『居住者』となった場合には、租税条約に基づいて居住地国が決定されます。
タックスヘイブン対策税制とは
「タックスヘイブン(tax haven)」とは、日本語で「租税回避地(そぜいかいひち)」の意味。
法人税や相続税などの、税負担が軽い国や地域の事を指します。
本来徴収されるべき税金。それらがタックスヘイブンによる租税回避により、自国で徴収できなくなる場合があるのです。
日本ではこの対策として「タックスヘイブン対策税制(外国子会社合算税制)」が導入されています。
タックスヘイブンを利用しての、租税回避行為を抑止するための制度です。
日本側の所得税・住民税・社会保険料が課税されないのは、これまで述べたとおり。加えて、タイ側は同一年度内に所得をタイに持ち込まなければ非課税となるんだよね。
たとえば日本のオンラインで収入を稼いで1年以上経過してからタイに資金移動すれば、非課税扱いになります。
国外送金
日本国内での送金に比べると海外送金は一般的に高くなります。これはデメリット。
でも最近は送金手数料も安いサービスも出てきているから、だいぶ気が楽になりましたね。
海外移住先に選びたい!税金が少ない・かからない国3選!
海外移住を考えているなら、どうせなら税金が少ない・かからない国を選びたいですよね。
税金的に得をする海外移住先の国を3つ、ご紹介します。
タイ
私も住んでいるタイは長期移住に最もおススメできる国ですね。物価もまだ低めで生活費も抑えようと思えば抑えやすい。
日本食も多く、ネット環境も悪くありません。
移住先で働くならシンガポール
シンガポールは、日本と同じ累進課税です。
けれども最高税率は、所得が32万シンガポールを超えている場合の22%となります。
そして住民税がない為、日本と比べると税率は半分以下。
更にタックスリベートという税額軽減措置があるので、かなりお得に感じるでしょう。
資産がたくさんあるならニュージーランド
ニュージーランドには、相続税がありません。
その為、世界各国から富裕層が集まってきているのです。
資産をたくさんお持ちの方は、ニュージーランドへの移住も視野に入れてみてはいかがでしょうか。
マレーシアがおススメに入らない理由
マレーシアは、2018年8月より消費税が廃止となりました。
特に年金暮らしとなった老後なら、消費税のない国が嬉しいですよね。
日本でならかかる8%~10%の消費税がなくなるだけで、かなり出費は楽になります。
あまり現実的なプランではありませんね。
海外移住の節税テクニック:まとめ
今回ご紹介した記事をまとめます。
- 日本非居住者になれば、所得税、相続税・贈与税、国民年金など、支払う義務はなくなる
- 日本非居住者は、租税条約、タックスヘイブン対策税制、国外送金などに注意が必要
- 税金で得をしたいなら、シンガポール、マレーシア、ニュージーランドへの移住がおすすめ
海外移住には費用もかかりますし、できる事なら税金は節約したいですよね。
けれども注意したいのは、脱税となってしまわない事です。
今回の記事も参考にして、ぜひあなたも海外移住の色々な節税対策に取り組んでみて下さい。
注意点、手続き、移住後に必要となる情報をまとめた記事一覧は下記リンク先から確認してみてください
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タイ中心に部屋で働くのが好きな人です。
【経歴】新卒ブラック社畜→ニート→海外就職+副業→週3リモートワーク→デュアルライフ(日本↔タイ)
人材業界のRACAとして計7年以上活動し、現在は事業会社のRPO(採用代行)や複業キャリア講師としてフリーランスで活動中。
35歳から副業で複数サイト運営しながら、2021年からタイで金融投資(米&全世界)を開始。
2031年からサイドFIRE予定です。
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