タイのお仕事探しで悩んでいる方に是非注目して欲しいポイントの1つ。それは会社のプロピデントファンドの有無です。
今回はタイおける退職金積立運用サービスであるプロピデントファンドについてご紹介していきます。
タイでは仕事を選ぶ際、民間医療保険への加入と今回紹介するプロピデントファンドがあることが「2大福利厚生」として重要視されます。
プロピデントファンドについてしっかりと理解してタイでの就職活動に臨みましょう。
プロビデントファンドに加入するようなタイの優良企業を探したい方は、下記を参考にしてください。
目次
プロピデントファンドはタイの退職積立金運用サービス
プロピデントファンドとはタイの退職金積立運用サービスで、日本で言うところの「企業型確定拠出年金(日本版401k)」のようなイメージです。
毎月の積立額は給与の2%から15%までの間で任意で選択することができ、雇用者と被雇用者が毎月半分ずつ基金を積み立てていくという仕組みになっています。
雇用者の積立額は被雇用者の積立額と同額以上にするという決まりがありましたが、今は積立額と関係なく決められるようになったそうです。
なお、ほとんどの会社では採用の時点で被雇用者の積立額はあらかじめ会社側で決められています。
この積み立てられた基金はプロのファンドマネージャーが市場で運用し、運用収益とその元本の合計を受け取ることができます。
積み立てられた基金は退職時以外に途中で引き出すことはできませんが、退職とは定年退職以外にも会社都合や自己都合の中途退職も含まれています。
自分で積立を行った金額については退職後すぐに100%の受給権を得ることができますが、会社が負担した積立額と運用で得られた運用収益については受給可能額が変動します。
変動理由としては、受給可能額は事前に設定されたルールに基づき受給額を算出するためです。たとえば、
「雇用者負担分の積立額及び運用収益の受給額は入社1年未満の場合は0%・5年以上で100%になる」
といった設定ルールは会社独自で定めることができます。
この会社独自の設定ルールは、「意図して不当にならない範囲で設定する」ことが定められていますので、会社が法外な利益を得るような設定にはできないため安心です。
また中途退職の場合でも次の職場がプロピデントファンドを導入している会社であれば、積み立てた基金を受け取らずにそのまま次のファンドに引き継ぐことも可能です。
なお、プロビデントファンドを導入していない企業やタイ国外へ転職する場合は資金を引き継げません。この場合は引き出しましょう。
プロピデントファンドのメリット
- 生涯賃金が上がる
- 掛け金の15%分が節税になる
- 運用利益を含め全て非課税扱い
プロピデントファンドの被雇用者のメリットとしては、何と言っても「生涯賃金が上がる」という点です。
プロピデントファンドは毎月の給料の他に給料の3%から5%を会社側が自動的にしっかりと積み立ててくれるというシステムですから当然と言えば当然です。
また先述したように一度基金に収められた資金は雇用者が勝手に引き出すことはできません。
「退職後のための資金をしっかり貯金する」という点では理にかなったシステムですね。
更にプロピデントファンドに関わる積立金は運用利益を含め全て非課税扱いになります。
退職後の資金確保のための「最も効果的な貯金手段」ともいえますね。
プロピデントファンドのデメリット
- 月々の手取りが積立金額分だけ減る
- 退職まで引き出すことができない
- 元本割れのリスクを抱える
プロピデントファンドのデメリットとして挙げられることは、退職まで自由に引き出すことができないという点です。
とはいえ、急な出費に備えてある程度の貯金ができていれば、引き出せないというデメリットは解消されます。
もう一つのデメリットとして挙げられるのは「元本割れ」というリスクです。
プロのファンドマネージャーが運用しているとはいえ、可能性は低いとしても、元本割れが起こってしまうというリスクは残ります。
これも運用の方針は会社が加入しているファンドによりますが、プロピデントファンドの多くは定期預金や国債等が多いです。
つまりローリスク×長期運用の比率が高いことが多いですので、この心配は小さいかなと。
それにプロピデントファンドは先述したように非課税による大きな節税効果が見込まれます。
掛け金は全額所得税控除となりますので仮に所得税率の区分が15%であれば、毎月のプロピデントファンドへの掛け金の15%分が節税になるのです。
少々の元本割れなら節税効果で充分に相殺できるため、元本割れのデメリットは節税効果によって充分に解消されるでしょう。
タイでの仕事探しはプロピデントファンドも考慮して決める
一般的に通常仕事探しをする上でチェックするのは給料ですが、沢山の生涯賃金を得たい場合はプロピデントファンドの有無は非常に重要なポイントです。
例えばプロピデントファンドの掛け率を給与の5%としてプロピデントファンドに加入している会社で平均給与300,000円として20年間働いたとしましょう。
すると退職後には300,000円×5%×12ヶ月×20年=3,600,000円の会社側の掛け金と自身の掛け金併せて「7,200,000円」+「運用利益」がもらえる計算になります。
プロピデントファンドに加入していない場合、自分で貯金等を行っていなければ退職後に得られるお金はありません。
タイで長期で働くことを検討する場合、目先の給料の額だけに注目するだけでなくプロピデントファンド分も考慮してみましょう。
「何年働いたらどのくらいもらえるか」をしっかりと計算してみるといいですね。
タイのプロピデントファンド」を理解する:まとめ
今回ご紹介した内容をまとめてみます。
- プロピデントファンドは「日本版401k」のようなタイにおける退職積立金運用サービス。
- プロピデントファンドのメリットは会社負担の積立と運用利益で生涯賃金が上がる。
- プロピデントファンドのデメリットは退職まで引き出せないこと、元本割れのリスク。
- タイで長期間働く場合は、プロピデントファンドで得られる生涯賃金も考慮に入れる。
「仕事はお金じゃない」部分ももちろんありますが、得られる収入を励みに仕事のモチベーションを上げられることもあります。
プロピデントファンドをしっかりと理解し、企業側の拠出額等の設定やルールをチェックした上で会社を選んでみましょう。
注意点、手続き、就職活動に必要となる情報をまとめた記事一覧は下記リンク先から確認してみてください
ちなみに私のおすすめとしては、ファンドにお金を運用してもらうだけではなく、個人で稼ぐ力を身につけたほうがいいと思っています。
生涯賃金を上げたい方は、下記もリンク先も参考にしてみてください。
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タイ中心に部屋で働くのが好きな人です。
【経歴】新卒ブラック社畜→ニート→海外就職+副業→週3リモートワーク→デュアルライフ(日本↔タイ)
人材業界のRACAとして計7年以上活動し、現在は事業会社のRPO(採用代行)や複業キャリア講師としてフリーランスで活動中。
35歳から副業で複数サイト運営しながら、2021年からタイで金融投資(米&全世界)を開始。
2031年からサイドFIRE予定です。
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