海外移住先で年金を受け取ることってできるの?
海外移住に憧れている方も多いのではないでしょうか?
けれども海外移住した場合、日本で支払っている年金はどうなるのでしょう?
支払う義務はあるのか、海外に住んでいても年金を受け取る事はできるのか。
気になりますよね。そこで今回の記事では、
- 海外移住の年金の支払い義務は
- 海外移住後は国民年金に任意加入した方がよい理由
- 海外移住後の年金納付と受け取り方法
こちらの順番でご紹介していきます。作業しながら音声で確認したい人は以下のyoutubeもどうぞ。
注意点、手続き、移住後に必要となる情報をまとめた記事一覧は下記リンク先から確認してみてください
目次
海外移住後の年金の支払い義務は?
海外移住しても、年金の支払い義務は継続するのでしょうか?
そして支払っていた期間が10年に満たない場合、受給する方法があるのかも気になりますよね。
それらを見ていく事にしましょう。
『公的年金』の加入義務はなくなる
結論からお伝えすると、海外移住した場合、60歳未満でも年金の加入義務はなくなります。
なぜなら年金の加入義務があるのは、『日本国内に住んでいる』20~60歳までの人であるからです。
つまり、支払い義務自体はなくなるという訳なんですね。
『国民年金』の任意加入で年金を続ける事も可能
年金の加入義務はなくなると言っても、支払ってきた年金がどうなるのかは、気になりますよね。
そう思う方も、おられる事でしょう。ご安心下さい。
国民年金には、『任意加入』という制度が用意されています。
こちらであれば、海外に移住しても年金を継続する事ができるんですよ。
気をつけておきたい『確定拠出年金』
では会社で入った『確定拠出年金(iDeco/イデコ)』は、どうなるのでしょうか?
確定拠出年金は、老後資金を作るための私的年金。
加入している人は、海外移住した場合には掛け金の追加はできなくなります。
60歳以降に年金や一時金として受け取る制度ですから、60歳までは引き出す事もできません。
そして残念な事に国民年金とは違い、任意加入などで確定拠出年金を継続する事はできないのです。
海外移住する場合でも国民年金には任意加入した方がよい理由×3つ
海外移住後も国民年金に任意加入できるとお伝えしました。
なんて思っていませんか?けれどもなるべくなら、加入しておいた方が良いですよ。
国民年金保険は、こんな仕組みになっています。分かりやすいようにざっくりとした計算で書きますと、
- 20歳から60歳までの40年間加入する
- 公的年金の受給開始年齢は、原則65歳
- 月額約2万円の保険料を支払う(保険料は毎年見直しあり)
その理由は以下の3つです。
- 国民年金は払い得である
- 障害年金がある
- 終身保険である
国民年金は払い得である
基礎年金は大赤字なので、本来であれば5万5000円ももらえません。それが可能になっているのは、税金が投入されていることと、厚生年金から会社負担分が「流用」されているからです。これによって、国民年金は有利な「投資」になっています。
— 橘 玲 (@ak_tch) June 17, 2019
上記の通り、国民年金はむしろお得なんですよね。多くの会社員の方に負担してもらって運用されている制度です。
サラリーマンが加入している厚生年金は、自己負担分にいくらか足して戻ってくるだけで、会社負担分は高齢者の年金支給のために没収されます。「ねんきん定期便」では自己負担分しか記載されていませんが、本来は会社負担分も自分が払った保険料です。
— 橘 玲 (@ak_tch) June 13, 2019
日本で働くサラリーマンの厚生年金だとトータルではたいして儲からないんですよね。
まぁこれなら自分で資産運用している方がマシなわけで。
手元にあるお金を全部使っちゃうような人くらいしか、正直お得ではないですよね。
障害年金
万一のときに残された家族に支払われる遺族年金や、病気やケガで障害が残った場合の障害年金。
これらも受け取ることができます。障害年金の場合は、
- 加入期間の3分の2以上を収めている
- 初診日の属する月の前々月までの1年間に滞納期間がないこと
上記のどちらかを満たしている必要があります。
加入期間の3分の2を支払い終えていない場合は、任意加入しておきましょう。
上記条件を満たしていれば、老後じゃなくて現役世代でも受け取ることができるよ。
終身年金
終身年金は生涯生きている限り、死ぬまで受け取れる年金です。
医療制度の充実や健康に対する意識が高まっている事で、現代人は寿命が延びています。
長生きできるのは嬉しい事ですが、お金の心配は年を取れば取る程、大きくなっていきますよね。
なお、日本人の寿命はずっと世界の上位(最近は1~3位)をキープしています。
平成 30 年簡易生命表によると、男の平均寿命は 81.25 年、女の平均寿命は 87.32 年となり前年と比較して男は 0.16 年、女は 0.05 年上回っている。
参照:厚生労働省
- 65歳まで生存する者の割合が男89.5%、女94.5%
- 75歳まで生存する者の割合は男75.6%、女88.1%
- 90歳まで生存する者の割合は男26.5%、女50.5%
日本人の平均寿命はとどまることなく伸び続けています。
100歳以上の高齢者は30年前より約50倍も増えていますからね。自分が高齢者になるころは・・・。
損益分岐点は何歳か?
基本的には早くに亡くなってしまうと損する仕組みです。長寿であることに対するリスクヘッジと考えると良いですね。
国民年金の1年間の支払額は約20万円。つまり40年間で約800万円を納付。
40年間おさめれば、満額で年間約80万円もらえます。
つまり約10~11年生きればモトがとれるので、平均寿命を考えると非常に有利な年金といえます。
そして繰り下げ受給を選択すれば、最大で42%受給額を増やすことが可能です。
自分で別途資産運用もしつつ、年金については繰り下げ受給申請をする人も増えていくんじゃないでしょうか。
ですので、65歳~70歳までは年金以外で収入を増やして生活費を賄えるようにする予定です。
そして年金は繰り下げ受給をして70歳からの受取りにする。最大42%増加させたいなと。
海外移住をした当時、私はお金に余裕がなかったので、支払いはストップしてタイへ移住をしました。
しかし長生きする可能性があると思う人は、確実に支払いをしておいた方がいいですよ。
2,000万円が不足している問題
2,000万円が足りないという問題は、定年退職した夫婦が生活レベルを維持したまま95歳まで生きた場合を想定。
年金にプラスして2,000万円が必要、と書かれた金融庁の報告書です。
2,000万円は、大げさ過ぎるかもしれません。
けれども支払った年金だけでは「心許無い」のは、多くの方が感じている事ではないでしょうか?
任意加入して、受給できる年金額をなるべく増やしておきましょう。
海外移住後の年金納付と受け取り方法
海外移住した後、任意加入した年金の納付方法と受け取り方法はどうすれば良いのでしょうか?
それらを見ていきましょう。
任意加入の手続き場所
まずは日本で、国民年金の任意加入の手続きをする必要があります。
手続きを行う場所は、日本国内での最後の住所地を管轄する年金事務所です。
もしくは、最後に住んでいた市町村の国民年金課でも手続きができます。
移住後の納付方法
任意加入した国民年金は、移住後に支払う事になるのですが、支払いは日本国内となります。
日本国内にある銀行や郵便局などの口座から、引き落としてもらう事が可能です。
または、国内にいる親族などに頼んで代理で納めてもらう事になります。
けれども納め忘れなどもあり得ますから、自分の口座からの引き落としがおすすめです。
海外移住先で年金を受け取る方法
海外に移住しても現地で年金を受け取ることは可能です。
そのためには、きちんと年金の受給要件を満たしておくことが条件となります。
自分の年金記録が記載された『ねんきん定期便』は、海外への送付も可能です。
移住先の住所に送付してもらうよう、忘れず手続きをしておきましょう。
また、受け取る資格が発生した際には、各自で年金請求の手続きをする必要があります。
手続き場所は任意加入の時と同様、最後に住んでいた地域管轄の年金事務所です。
または、『街角の年金相談センター』でも行えます。
海外移住と年金についてのあれこれ:まとめ
今回ご紹介した記事をまとめます。
- 海外移住した後は年金の支払い義務はなくなる
- ただし移住後も「障害年金」「終身年金」の制度を利用するために任意加入を推奨する
- 日本人は長寿傾向にあるので、終身年金がお得になる可能性が高い
- 移住後の年金納付は日本国内での口座引き落としや振り込み
- 年金の受け取りは海外でも可能
海外移住したい、定年後は海外でのんびり暮らしたい、そんな夢も大切にしたいですよね。
その為にも年金はしっかり支払って、受け取れる額を増やしておきましょう。
注意点、手続き、移住後に必要となる情報をまとめた記事一覧は下記リンク先から確認してみてください
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タイ中心に部屋で働くのが好きな人です。
【経歴】新卒ブラック社畜→ニート→海外就職+副業→週3リモートワーク→デュアルライフ(日本↔タイ)
人材業界のRACAとして計7年以上活動し、現在は事業会社のRPO(採用代行)や複業キャリア講師としてフリーランスで活動中。
35歳から副業で複数サイト運営しながら、2021年からタイで金融投資(米&全世界)を開始。
2031年からサイドFIRE予定です。
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