コロナの影響で各国は「観光客」だけじゃなく、ある程度の期間、短中期で滞在してくれる「ノマドワーカーの獲得」を競い合う時代になってきました。
いわゆる「ノマドビザ」も増加してきていますので、本日は海外各国のリモートワークの状況についてまとめてみました。
私自身も海外(タイ)でリモートワーカーとして働く1人として、ほかにどんな国で働けるのか気になるんですよね。
ただしコロナ以降、各国いずれも外国人の入国にシビアになってます。そのため現在は一時的に適用されていない国もあります。
ビザの状況も変更する可能性が高いので、最新の情報は各位それぞれの大使館情報などを確認してくださいね。
ただ1度でもこういう受け入れをした国(地域)であれば今後も受け入れられる可能性が高いのでまとめてみました。
目次
リモートワークしながら海外生活ができそうな国々
それぞれ滞在期間や条件は異なりますが、莫大な資産がなくても比較的長期で移住できる可能性がある国々をまとめてみました。
以下、詳細をみていきます。
タイ
タイ政府は「スマートビザ」というノマド向けのビザの発行を検討しており、これがあると「4年間の滞在許可&家族もOK」という制度です。
もともとスマートビザという制度は2018年2月にスタートしています。
科学技術の専門家、上級管理職、投資家らの申請が可能で、これまでに512人が取得済みです。
取得条件の一例↓
- 最低月給が100,000バーツまたは相当額以上
- タイ国内企業またはタイに派遣させる外国企業と1年以上雇用契約
- 科学技術分野の専門性が証明されている
上記に加えてここに新たにデジタルノマド向けのビザも検討しています。
- 6か月間以上続く外国企業との雇用契約
- 資格と専門的経験の証明
個人的にはコスパよく便利なタイのバンコクがおすすめです。海外移住で必要な費用などは以下の記事もご参照ください。
エストニア
エストニアはバルト三国の中でも最北に位置している国で、主要言語はエストニア語です。
インターネット電話サービス「スカイプ」の技術的な発祥地(創業者はデンマーク人とスウェーデン人)として有名ですね。
実はデジタル国家として有名です。「Digital nomad visa」というわかりやすい名称でビザを発行しています。
エストニアで働きながら最長1年間の滞在が可能。以下の条件のいずれかが継続されることが前提。
- エストニア国外を拠点とする雇用主との雇用関係がある
- エストニア国外を拠点とする企業に対してなされる事業活動
- エストニア国外にいる顧客に対してなされるサービスの提供と当該顧客との契約関係
参照:lonelyplanet
加えて申請前の6か月間の収入が最低基準額に達したという証拠を提出する必要があります。
直近6か月間で最低3,504ユーロ(総税額)日本円で約45万円/月を満たしているのが条件とのこと。
手数料はタイプC(短期滞在)ビザで80ユーロ、タイプD(長期滞在)ビザで100ユーロ。
エストニア大使館または領事館で予約を取り、申請書を提出したら30日以内に審査されます。
税理士や会計士は国内に1人もいないという噂も(ほんと?)
ポルトガル
ポルトガルのD7ビザ、通称リタイアメントビザ。
こちらは年金受給年齢に達してる必要はなく、定期的な収入を証明できれば取得できるようです。
条件は
- 年収7,200~7,620ユーロ(約93万7千~99万2千円)
- 旅行健康保険の証明
- 無犯罪証明書
上記幅があるのはサイトによって金額提示が違うからです。最新の金額は大使館に要確認。
ただ為替や値上げを考慮にいれてもそこまで大幅な変動はなさそう。
ちなみに 2人目以上の大人は3,600ユーロ。子供1人あたり2,160ユーロだそうです。家族で海外リモートワークを検討している方にはうれしいですね。
D7ビザにより、それぞれの所有者はポルトガルで1年間の居住許可を取得できます。2年間連続して更新でき、5年後に永住許可に変換できます。
スペイン
スペインは、EU加盟国でシェンゲンビザ協定を結んでいますので、まず3か月は滞在できます。
もっと長期間滞在したい場合は「The Non-Lucrative Visa」。最初は1年間の滞在許可がでます。
その次が2年間、2回更新して5年間居住すると次は長期居住許可(5年間)がもらえます。その後も5年間ずつ更新できます。
注意点としてはスペインに住むことが前提となりますので、6カ月以上連続してスペイン国外に出ることはできません。
また5年間を通しても、合わせて10カ月以上スペイン国外に出ることはできないようです。取得条件は
- 年間26,000ユーロ以上の収入(約320万円弱)
- 家族がいる場合は1名につき+約6,500ユーロの資金源
- スペインで使用可能な医療保険の加入証書
- 健康診断書
- 無犯罪証明書
ドバイ
1年間有効なデジタルノマド向けのビザ「virtual working programme visa」。条件は
- 申込料金287米ドル(約31,000円)
- 月収5000米ドル/月(約55,000円)以上
- 雇用証明書と3か月の銀行取引明細書
- 医療保険とビザ手数料
ドバイは所得税がかからないのもメリットですね。
ギリシャ
ギリシャ。サッカーの香川真司選手が移籍した国でもありますね。
ここは観光業が主力産業です。コロナ禍で経済も大打撃を受けており、国内総生産は2020年度は9%減少しました。
そのためリモートワーカーの獲得に目を向けています。7年間50%の所得税控除といった特典もついてくるとのこと。
現在の規則では、デジタル遊牧民やフリーランサーなどの自営業者は、40,000ユーロ以上の収益に対して44%の税を支払っています。
この制度により22%まで落ちるとのこと。
ジョージア
- 2,000ドル/月 (約21万7千円)以上の収入があること
- 滞在をカバーする健康保険に加入
- 最低180日間滞在
月収約20万円以上の収入と、保険さえあればあとは必要日数は滞在できますという感じですね。
10日間程度で申請が通ると書いてありましたが、今はコロナ禍ですし時間はかかる可能性もあるでしょう。
参照:Agenda.ge
モーリシャス
- 滞在をカバーする健康保険に加入
- 1,500USD(約16万円)/month 24歳以下の扶養家族の場合は+約5万5千円
- 長期滞在計画の証明(宿泊施設の予約など)
モーリシャスの「premium travel visa」。ビザは無料で、1年間発行されます。
参照:departures
メキシコ
- 銀行全体の残高が27,000USD(約293万円)
- 月収が1,620米ドル(約17万6千円)を超えている
メキシコのTemporary Resident Visa。1年間有効で3年延長も可能です。永住許可を申請するチャンスもあるようです。
参照:Flag Theory
クロアチア
クロアチアでもデジタルノマドビザの話が進んでいますが、こちらはビザではありません。在留資格です。
観光ビザの期間を超えてクロアチアに滞在したい方が利用できそうですね。
それ以上の滞在を検討したい場合に有効です。
- クロアチア国外の企業でリモートワーカー
- 収入証明3,802ユーロ(約50万円)/年間
- 何度でも取得可能(連続ではできず6ヶ月出国する必要あり)
- クロアチアで所得税の課税なし(租税条約の確認が必要)
- 無犯罪証明書、健康保険の証明書、雇用契約書
参照:lonelyplanet
頑張ればできそうですがリモートワークの対象から外した国
ビザがない、高すぎる、手続きがかなり面倒など手間を感じた国ですね。よほどその国に思い入れがない限りはあえて選ぶ必要もないかなーと。
チェコ共和国のビザ「Zivno」
こちら有効期限は1年で延長も可能。なんですけど、いわゆる開業届を出すような感じで色々と面倒そうだなと。
18歳以上である、チェコの滞在許可がある/取得予定である(それを証明できる)、犯罪歴がない、などなどが前提です。
コスタリカ
コスタリカの海辺の町サンタテレサにある「コワーキング村」のヨコ・ビレッジ
ノマドワーカーが集まっているらしいですね。調べたんですけど、ノマドビザみたいな制度が見つからず。
ただ日本人はノービザで90日間滞在できるみたいなので、その後観光ビザとかに切り替えれば良いのではないでしょうか。
ちなみに65歳以上の人は誰でも退職ビザを申請する資格があり、 200,000ドル(約2,170万円)を超える不動産を所有している人も居住資格があるとのこと
参照:yokovillage
参照:forbes
参照:outsite
アメリカ
リモートワークを前提とした米国都市の人材誘致|シリコンバレーと起業家|World Voice|ニューズウィーク日本版
タイもノマド向け助成金とかやってくれたら良いんだけどなぁ。 https://t.co/6dji1cN6TW
— チャイカプ@海外リモートワーク (@genchisaiyou) February 22, 2021
- 現在オクラホマ州外でリモートワークか自営業の人
- 米国で働く資格があること
- 引越し後は最低1年住む
- $10,000(約110万円)を1年にわたって支給
オクラホマ州のTulsa (タルサ)、アイオワ州、そしてアラバマ州では、引っ越してくるリモートワーカーに対して、100万円の助成金を支給する施策を発表しています。
ある程度長く住まなければならないといった制約はありますが、その代わりに家賃や引っ越し費用などが免除される項目もあるようですね。
参照:Tulsa Remote
バルバドス
南米大陸の北東、カリブ海に浮かぶ島々のなかで、最も東に位置するバルバドス。島の西側はカリブ海、東側は大西洋の大海原。
「バルバドスウェルカムスタンプ」は、リモートワーカー向けの特別な12か月ビザで、さらに長く更新することもできます。
- 年間50,000ドル(約552万円)以上の収入
- COVID-19テストと48時間以内の検疫
ただし2,000ドル(約22万円)のビザ申請料金もかかりますので、ほかの国と比べると比較的お金がかかる印象です。
バミューダ諸島
バミューダ諸島(英国領土)はイギリスよりも米国本土からのほうが近いですね。この小さな島には約6万人が暮らしているそうです。
タックスヘイブンの地としても知られてますね。「Work From Bermuda」というビザで最長1年間滞在が可能です。
- COVID-19テスト
- 旅行保険
アンティグア・バーブーダ
- 年収5万USD(約550万円)以上
- 自分の雇用者がカリブ諸国以外に拠点を置いている証明
- 滞在中の健康保険
カリブ海にの島国アンティグア・バーブーダ。Nomad Digital Residence Programmeという2年間滞在できるノマドビザです。
申請料は1人1,500ドルで、カップルは一組2,000ドル、3人以上の家族は一組3,000ドル。
リゾート地なので物価も日本に比べると高めです。
ケイマン諸島
ケイマン諸島はカリブ海にある英領の人気リゾートです。
「タックスヘイブン」の地でもあり、一定の減税や免除がされる地域のことで、租税回避を目的として籍をおく企業も多いですよね。
2年のビザを発行していますが、ビザ代が1,500ドル(約16万5千円)近くかかり、独身者で年収10万ドル(約1,100万円)の所得証明が必要とのこと。
ノマドビザ以外に入る方法は?
外国人が長く海外に滞在する方法は、ノマド系のビザだけではありません。就業ビザや学生ビザが有名ですよね。
ただいずれも本業として、その国で「就業」「学業」をしている必要があります。
その場合、ノマドしながら長期滞在用に習得できそう可能性は、以下の3つの方法でしょうか。
- お金で解決(エリート系ビザ)
- 年齢で解決(リタイアメント系のビザ)
- 子供で解決(保護者ビザ)
タイのエリートビザ、マレーシアのMM2Hなどのように、お金を払うことで長期ビザをもらえる国があります。
50歳以降の方であればリタイアメント系のビザがおすすめです。
あとは学生に付随する保護者ビザを発行している国もあります。
タイだとノンイミグラントO-未成年の学生の保護者)ですね。
ただインターに子供を入学させる場合(=お金をたくさんその国に落とす)など、条件はつくかもです。
海外でリモートワークしながら働いていきたいなら
どの国が一番自分に合うかはその人によって全く違うはずなんですよね。「日本最高」って思う人は日本でいいと思うし、少しでも違和感あるなら他の国を見て回りましょう。
今は難しい国が多いですが、まず旅行等で短中期で行ってみて、合えば長期移住。もちろんその後に日本へ本帰国するのも自由✈ pic.twitter.com/ET9Z4Ff8ys
— チャイカプ@海外リモートワーク(一時帰国中) (@genchisaiyou) May 31, 2021
コロナの状況次第ですが、専用ビザが難しいor取得条件が厳しいor取得に時間がかかる場合はまずはノービザor観光ビザで旅行をしましょう。
短期滞在を通して住みやすそうであれば長期のノマドビザの検討を開始しても遅くはありません。
いまは日本でもリモート案件は探しやすくなっていますからね。先に案件を手に入れてから海外渡航をしましょう。
正社員案件も含めてリモートワークを探す方法は以下記事をご参照ください。
これから海外リモートワーカーが増えていく
リモートワークの拡大、デジタルノマド増加のきっかけに? https://t.co/KviaX679Pi
世界が過剰観光から観光不足へと移行したことで、世界中でノマド誘致競争が激化する可能性は高い。
/日本から脱出する人も結構いるんじゃないかな、と。
— チャイカプ@海外リモートワーク (@genchisaiyou) October 26, 2020
当面の間は海外渡航が難しい状況が続く可能性が高いが、パンデミックの収束後も、物理的な場所を問わない働き方が続くことは広く予想されている。
これにより、デジタルノマドの市場はこれまでのデザインやプログラミング、メディアなどの分野で働く若者(多くはフリーランスだ)以外にも拡大し、より広い職業に開かれるようになるかもしれない。
医療従事者などの専門職やインフラ周りの仕事を除き、リモートで代替できるところはどんどん切り替わっていくでしょう。
実際に僕の周りにもリモートで働く主婦(主夫)や独身男女は多いです。職種もどんどん広がってますし、選択肢は増えていますよね。
リモートワーク普及でアジア移住希望者が急増 “キャリアの停滞”は起こるのか?(リアルサウンド)#Yahooニュースhttps://t.co/Nm1kOIW1A4
希望の移住先として多くの支持を得たのが、タイ (60%)、ベトナム(52%)、シンガポール(50%)、中国(45%)、香港(39%)
— チャイカプ@海外リモートワーク (@genchisaiyou) February 21, 2021
こちらは既にリモートワーカーとして働いている人へのアンケート結果。
旅行予約サイト『Booking.com』が2万人を対象に行ったものです。
- タイ (60%)
- ベトナム(52%)
- シンガポール(50%)
- 中国(45%)
- 香港(39%)
充実したレジャー環境と物価の安さからアジア圏への移住を希望する人は増えていますね。
画像参照:厚生労働省 テレワーク総合ポータルサイト
この図は法人におけるテレワーク導入率です。米国は85%と圧倒的にテレワーク導入率が高くなっています。
日本のテレワーク導入率は、ドイツより若干低い程度なのが意外ですよね。
ヨーロッパ=最先端技術を取り入れている企業が多いイメージがありましたけど。なんでかなと思ったら
ただし、日本の導入率は従業員規模が100人以上の企業を対象とした調査で、従業員規模100人未満の企業を含めたテレワークの導入率はより低い
中小企業も対象に見比べた場合は状況が大きく変わりそうですね。
海外でリモートワークできそうな国:まとめ
- コスパを考えると海外リモートワークはタイがオススメ
- カリブ海付近は日本と比べて割高になる傾向
- いずれもコロナ次第で入国条件は急に変わる可能性あり
リモートワークを1度でも体験したことがある人であれば、今後は日本のみならず海外で暮らすことを検討してみてはいかがでしょうか?
まだリモートワークをしたことがない方や、よりよい条件を探したい方は以下の記事もご参照くださいね。
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タイ中心に部屋で働くのが好きな人です。
【経歴】新卒ブラック社畜→ニート→海外就職+副業→週3リモートワーク→デュアルライフ(日本↔タイ)
人材業界のRACAとして計7年以上活動し、現在は事業会社のRPO(採用代行)や複業キャリア講師としてフリーランスで活動中。
35歳から副業で複数サイト運営しながら、2021年からタイで金融投資(米&全世界)を開始。
2031年からサイドFIRE予定です。
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