現地の通貨で振り込まれた給料を、日本に残した家族に送金しなければならない機会もありますよね。
本帰国でバーツを残す必要がない駐在員妻、現地採用、リタイアメント暮らしの人もいることでしょう。
いざという時に、送金に必要な手続きがスムーズにできるよう、出国前から準備しておきましょう。
この記事では、タイから日本に送金する際のやり方と注意点についてまとめています。
目次
タイから日本へ海外送金する方法×7つ
タイバーツを日本へ送金する手段はいくつかあります。
- アプリ
- 現地の銀行窓口
- 日本円に換金して現金
- 仮想通貨
- 証券口座
- ウエスタンユニオン、ペイパルなど海外送金に特化した金融会社サービス
- Amazonギフト券
国際間のカネの移動は需要が高く、各社こぞって新しいサービスを開発する分野ですが、ことお金に関しては大きなリスクを冒したくないですよね。
ただ面倒かな。。。
仮想通貨や証券口座は口座を持っていないと手続きまでに時間がかかります。
仮想通貨に関しては2018年には大規模な流出もあり、信頼できない人もいるでしょう。
Amazonギフト券は少額送金なら手数料もかからず良いですが、大金になると現金への換金率も悪く、非効率です。
海外送金に特化した金融会社の送金サービスは、早く手続きも簡単なのが特徴ですが、手数料が割高なので、複数回利用するにはやや不便。
手数料 | 安全性 | 手軽さ | 送金額 | |
銀行アプリ | ○ | ○ | ○ | ○ |
銀行窓口 | × | ○ | △ | ○ |
ハンドキャリー | ○ | × | △ | ○ |
仮想通貨 | ○ | △ | × | ○ |
証券会社 | △ | △ | × | ○ |
ウエスタンユニオン | × | ○ | ○ | ○ |
Amazonギフト券 | ○ | ○ | ○ | × |
というわけで、この7つの中でもよく利用される「銀行アプリ」「窓口送金」「現金持ち込み」の3つに絞って解説します。
どの方法を利用しても必要となってくるポイントを次章で見ていきましょう。
送付先の銀行と送金者の情報
海外送金する際に必ず準備しておきたいのが以下の情報です。(ハンドキャリー除く)
銀行によって必要な書類が変わるので、該当する銀行の情報は個別で調べてください。
- 送金先の英語銀行名、支店名
- 口座番号
- 送付先銀行の英語住所
- SWIFTコード
SWIFTとは、「国際銀行間金融通信協会」とも呼ばれ、金融情報を取引するための高度に暗号化されたネットワークを司る金融団体です。
国際送金サービスを取り扱う世界中の銀行は、このネットワーク上の住所に相当するSWIFTコードを持っており、このコードを使ってシステム上のやり取りを行います。
SWIFTコード検索はこのサイトなどが便利です。
次に、送金者となる自分自身の情報を用意します。
- パスポート
- 労働許可証(ワークパーミット。ただしリタイアメントビザなど、就労許可のないビザで滞在している場合は外貨送金証明書など)
- 給与明細などの送金原資
このほか、送金元口座の直近の預金残高が確認できる書類などでも通る場合があります。
要は送金する側の口座に、送金額以上の預金が残りますという証明ができれば問題ありません。
海外送金の手数料
タイの主な銀行における各手数料についてまとめました。
主な手数料
海外送金の手数料はこの2つを覚えておいてください。
- SWIFT手数料:1回の取引ごとに一定額
- 海外送金手数料:1回の取引額に応じて変動
手数料の総額は、SWIFT手数料+取引額に応じた海外送金手数料が基本です。
手数料の受け持ちをいずれがやるか?
取引額に応じて発生する海外送金手数料は送金側、受取側のどちら側で負担をするか決めることができます(※1 状況によっては不可)。
- 送金側で負担:SWIFT手数料と海外送金手数料を両方負担し、受取先には送付額が全額送付。
- 受取側で負担:送付側はSWIFT手数料だけ負担。受け手は海外送金手数料が差し引かれた額を受け取る。
確実に決まった金額を送らなければならないときは、注意が必要ですね。
その差額分は送金終了後に送金人口座から引落とされます。入金手数料については、受取側銀行にご確認をお願いいたします。
先に払っていても、想定額以上かかってしまった場合は受け取り側からひかれてしまうのは、仕方ないようですね。
各銀行の手数料一覧
銀行名 | SWIFT手数料 | 海外送金手数料 |
アユタヤ銀行 | 窓口:500バーツ アプリ:350バーツ |
送金金額の0.05%(最低5,000円相当額) |
バンコク銀行 | 400バーツ | 送金金額の0.05%(最低2,100バーツ) |
カシコン銀行 | 500バーツ | 送金金額の0.05%(最低5,000円相当額) |
サイアム商業銀行 | 窓口:550バーツ アプリ:399バーツ |
送金金額の0.05%(最低5,000円相当額) |
クルンタイ銀行 | 窓口:400バーツ アプリ:300バーツ |
送金金額の0.05%(最低5000円相当額) |
SWIFT手数料には多少のばらつきがありますが、海外送金手数料は基本的にどの銀行も変わりません。
ほとんどの銀行が最低送金額を設定しているので、最新の手数料については、自分が送金元として使う銀行のサイトから確認してみてください。
「〇〇bank outward remittance」「〇〇bank oversea fee」などで検索すれば出てきます。
なお、同じページに、海外からタイ国内銀行に送金を受ける際の手数料がかかれている場合もあるので注意しましょう。
タイから日本への海外送金(メジャーな方法×3つ)
日本の銀行は外貨入金にあたってタイバーツには対応していない場合が多く、タイの銀行で日本円に換算して送金する方法が一般的です。
先ほど、海外送金方法は複数あると紹介しましたが、とりわけメジャーな3つの方法について解説します。
タイの銀行アプリを使う
銀行によっては(※2)、アプリやネットバンキングでタイから日本に送金できます。
※2:カシコン、アユタヤ、バンコク、SCBは確認できました。
送金時には「SWIFT手数料」および「海外送金手数料」が発生するので、送金する側と受ける側のどちらで手数料を負担するのか確認が必要です。
通常、SWIFT手数料は送金側が負担するシステムになっていますが、海外送金手数料については選択できる銀行もあります。
送金先負担にすると、送金額から海外送金手数料が引かれた金額で相手の口座に着金するので、決まった金額を確実に送金したい場合は計算に注意してください。
手数料の計算例
アユタヤ銀行のアプリを利用した例をもとに、手数料の計算をします。50万円をアプリ経由で送金する場合は、以下の計算式となります。
SWIFT手数料:350バーツ
海外送金手数料:1,465バーツ(最低額の5,000円分×上記為替)
海外送金手数料の負担額は送り手負担と受け手負担では以下のようになります。
- 送金側が負担:口座からは総額148,259バーツ(146,444+350+1,465)が引き落とされ、受取口座には500,000円が送金されます。
- 受取側が負担:146,794バーツ(146,444+350)が引き落とされ、受取口座には5,000円を差し引いた495,000円が送金される。
銀行窓口からの国際送金
アプリでの送金は早くて楽なのが特徴ですが、ある程度大きな金額などになると、銀行で手続きしてもらった方が安心できる場合もあります。
アプリより時間もかかりますが、銀行の窓口係員がオンライン処理してくれるので、不安な場合は窓口での送金をおすすめします。
その際に以下は用意しておいてください。
- パスポート
- 労働許可証(ワークパーミット)
- タイ国内銀行口座の通帳
- 海外送金申込用紙(海外送金に対応している銀行支店に置かれています)
- 給与証明書
- 海外送金手数料
手続きそのものは、申込書に必要事項が記載できていれば問題ありません。
注意したいポイントとして、日本の銀行はほとんどがタイバーツでの外貨入金を受け付けていないため、当然送金時に日本円またはUSドルに変換する必要があります。
直接日本円に換えるよりもUSドルに換える方が手数料が安く済む場合もあるので、係員に手数料を確認しておくことをおすすめします。
また、日本で外貨を受け取る際にはマイナンバーカードの事前登録が必要です。
急な入用で送金しようにも、受け取る側の準備ができていなければどうしようもないので、予め日本で必要な手続きを済ませておきましょう。
現金で日本持ち込み
ネットや銀行の国際送金を利用してオンライン処理する以外に、物理的に現金を持ち込んでしまう方法もあります。
単純に流通量の違いから、タイバーツを日本円に戻す場合はタイで両替したほうが手数料が安いことが多いかなと。
ただ個人的には多額の現金を持ち運ぶことは、盗難や紛失のリスクも含め、あまりおすすめしていません。
駐在期間などが終わって帰国するタイミングなど、タイ国内銀行にバーツでの預金があっても、手を付ける機会がしばらくない場合にご検討ください。
また税関ホームページにも記載されている通り、100万円相当額を超える現金を日本へ持ち込む際には、専用の申告用紙に必要事項を記入し、入国時に税関職員に提示します。
「100万円相当額」なので、日本円かタイバーツか、通貨の種類を問いません。
小切手(トラベラーズ・チェックを含む)や約束手形、有価証券(株券、国債等)も含まれます。
万一申告漏れがあったことが発覚した場合は、事後調査の結果次第では追徴課税を課される可能性があるので必ず正直に申告しましょう。
手数料を抑えるためには
手数料を抑えるために、手数料の安い銀行を利用する以外にもできる限り送金回数を少なくすることをおすすめします。
海外送金手数料は、ほとんどの銀行では送金額の0.05%と定められており、5,000円相当以下は定額です。
つまり、20万円相当の金額を送っても500万円相当の金額を送るときと手数料は変わりません。
個人が給与等の範囲内で送金するにはあまりにも大きい額だから、あまり該当しないかな。
基本的には最低額の5,000円はかかりますな。
窓口なら上限はないけど、そうなると固定のSWIFT料金が高くなる、と。
日本側で急にお金が必要になったなどの事情がある場合は、余裕があるくらいの現金を一度に送ってしまったほうが、海外送金手数料を無駄に払わずに済みます。
もしも定期的に何度も送金する必要がある場合は、海外送金手数料を先方に負担してもらえないか交渉してみるのも手です。
キャンペーンを駆使する
アユタヤ銀行のプロモーションでKMAアプリからなら、手数料は送金者側のみで250バーツで済むようですね。
期間は8月1日〜12月31日迄。銀行によって、こういうキャンペーンをちょこちょこやってます。
カシコン銀行もやってます!と言いたいところでしたが。日本円は250バーツのキャンペーン外ですね。
期間以外は「1,500バーツ(約5,100円)」固定。
500バーツ(約1,700円)+5,000円(最低額5,000円)=6,700円よりは安いですね。
タイ国内の振り込みは0円だから、手数料が安い銀行にバーツを振り込み→日本へアプリを利用して送金すればかなりお得です。
日本からタイへ送金する場合は?
この記事ではタイから日本への送金について書きましたが、日本からタイへの送金の場合はwiseが1番損しないです。
かなりお得な手数料で送金することが可能です。詳しくは以下の記事をご参照ください。
まとめ
新型コロナウイルス感染拡大によって、一時的に海外出張や駐在派遣なども一部止まっていました。
しかし最近は感染者数も落ち着き、2021年の11月からはタイも開国を開始しています。
いざという時に日本に残した家族にお金の用意ができるように、事前に準備しておけば安心です。
タイ現地で利用する銀行と、受け手となる日本国内の銀行に相性の良い方法を選択してみてくださいね。
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Follow @genchisaiyouチャイカプ
タイ中心に部屋で働くのが好きな人です。
【経歴】新卒ブラック社畜→ニート→海外就職+副業→週3リモートワーク→デュアルライフ(日本↔タイ)
人材業界のRACAとして計7年以上活動し、現在は事業会社のRPO(採用代行)や複業キャリア講師としてフリーランスで活動中。
35歳から副業で複数サイト運営しながら、2021年からタイで金融投資(米&全世界)を開始。
2031年からサイドFIRE予定です。
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