2拠点生活(デュアルライフとも言います)は、2つの地域に生活拠点を持つスタイルです。
昔は軽井沢などに豪華な別荘が持てる富裕層や、定年後の暮らしをする老夫婦の生活様式を指すことが多かったのですが、現在はだいぶ変わってきています。
いわゆる20歳代の若年層や、30代以降の家族連れの方も多いんですよね。
私自身、2021年からはタイと日本で2拠点生活を行っています。
この記事では私の体験を通して、2拠点生活の現状、おすすめできる人、2拠点生活の仕事やかかる費用についてご紹介します。
目次
2拠点生活の定義と開始者(推計)の推移
画像参照:リクルート住まいカンパニー
2拠点生活とは、2つの地域に拠点を持つ生活スタイルと申し上げましたが、基本的には都心と田舎暮らしの併用スタイルを指すことが多いです。
上記の画像のとおり、年々増加しており、2018年の段階で既に約17万人が実現しています。
ただ私みたいにタイと日本の行き来をするような海外組も混ぜると、実態はもっと多いかもしれませんね。
実際、タイにいる日本人経営者の方も日本との生活を始めるとつぶやています。
今回タイに移住して今年で10年目になりますが来年家族の拠点を日本に移すことに決めました。もちろんタイのビジネスは継続するしタイにはしょっちゅう来るし数年で帰ってくるという制限付きで。この決断をしてから今やらないといけないことがより明確になり毎日が楽しい。
— Koji デジタルマーケティング@バンコク🇹🇭 (@dtkkoji) January 26, 2022
本拠地を日本に置き換えて、タイに会社や拠点を置いてリモート&またタイへも戻るというスタイル。
コロナ禍で経営層中心にリモートワークで組織を回さなきゃならなかった経験が、ここにきて活かせている感じでしょうか。
2拠点生活におすすめな人
2拠点生活は経営者のように、たくさんお金を稼いでいる方だけができるスタイルではありません。
- 人間関係を一からさっぱりしたい人
- 都会の喧騒に疲れた人
- いずれは田舎に帰る予定だった人
- 子供を自然豊かな場所で育てたい人
- 本業以外に副業として地域貢献したい人
- 海外生活にチャレンジしてみたい人
上記のような人におすすめの生活スタイルですね。
以下に、それぞれの内容を含めたメリット・デメリットについてご紹介してきます。
2拠点生活を始めるメリットとデメリット
2拠点生活を始めるメリットとデメリットをご紹介していきます。
メリットは4つ、デメリット4つの計8つです。
今すぐデュアルライフをしたくなるメリット
- 家族で暮らす未来が変わる
- 自分の時間の使い方が変わる
- 本格的な地方(海外)移住への試金石となる
- 資産を増やしやすい
家族で暮らす未来が変わる
お子さんがいらっしゃる方であれば、週末だけ田舎で暮らす2拠点生活は、この願いを叶えるのにうってつけですよね。
虫取りや川遊び、自然の中の寒さや景観など、都会では味わえないことを毎週末に体験させられます。
子どもの感性を広げ育み、新しいコミュニティと触れ合う機会にもなります。
私に子供はいませんが、もしいた場合。子供には叶う範囲で色々な体験をしてもらいたいと思います。
世界を狭くして居心地よい環境を構築するのは、選択肢が増えた後の大人になってからでいいので。
平日の大人は仕事と家事、子供は学校があると、どうしても日々の生活でいっぱいいっぱいになりがちです。
でも2拠点生活を始めることで、週末は田舎で川遊びやキャンプ、農業や登山などを家族で一緒に楽しむことができます。
2拠点生活をとおして、これまでに見えなかった「子どもの笑顔」だったり、家族で過ごす時間が(半強制的に移動が伴うことで)増えます。
これまで以上に親子の関係を深める、良い機会ですね。
自分の時間の使い方が変わる
あなたが時間があったらやってみたいことは、「東京でやりたいこと」でしょうか?たとえば野菜を育てたいとしましょう。
もちろん東京にいても畑はできますが、郊外に畑を借りて車で1時間くらいかけて行きたいですか?
管理者がいて収穫をするだけで、満足できそうでしょうか。
もちろん東京でしかできないこともあるよね。サッカーのホームゲームの応援や、東京だけのお店の開拓とか。
その土地ならではのことを、その時々の自分たちの時間配分で見つけて楽しむ、そんな暮らしをする感じかな。
夏なら登山、釣り、サーフィン、農業。秋冬はキャンプやスノボといった趣味を楽しむこともできますよね。
長く滞在できるなら、地方で町おこしや祭りの実行者として協力するなど、運営側を体験できるかもしれません。
旅行で訪れるのと、拠点を作り実際に生活する場合では、得られる情報量が全く異なります。
ガイドブック通りの体験がしたいなら、旅行だけで十分ですが、長く触れることでわかる土地の魅力に気付く機会かと。
加えて、これまでに知り合うことがなかった人々との、新たな出会いが生まれますよね。
心機一転、心を整理したい人は、ここで新しい人間関係を築くことができます。
土日で休んで体力は回復しても、精神的な疲れが取れた気がしない
なんのために仕事しているだろう・・
こういう人には、気持ちをリフレッシュできる場所を自ら作り出す、2拠点生活が向いていますよ。
都会から離れた場所に居を構えて生活することで、気持ちの切り替えがスムーズになります。
平日は都心で仕事、休日は田舎で過ごす。
都心で働いていて忙しい毎日を送っていると、気づいたら季節が変わっていませんか?
私はタイにいることが多いのですが、タイにないものが日本にはあります。それは四季。
春の桜、夏の花火と緑の木々、赤い紅葉、白い雪。季節の移り変わりを感じられるのは、すごく貴重ですよ。
普段聞こえる雑音とは違う場所で、気兼ねなく暮らす生活。人としてあり方を見つめなおせる環境ですよね。
本格的な地方(海外)移住への試金石となる
将来本格的に地方や海外へ移住したいと考えている人は、2拠点生活でお試し移住をするのがおすすめです。
実際に拠点を持って住んでみると、良くも悪くも見えてくる景色があります。
生活環境や文化、人柄などを知って「やっぱり他の地域にしよう」と思った場合にも、2拠点生活なら気軽に拠点を移すことができますよね。
資産を増やしやすい
アービトラージという言葉はご存じでしょうか?日本語読みで、「裁定取引」。
金融用語で「割安な投資対象を買い、割高な投資対象を売るポジションを取る」ことを指します。
利差や価格差を利用して、注目して、資産を増やす方法ですね。
地域や国ごとの物価の違いを利用して収支を増やす方法です。
要は、物価の高い東京より安い地方、もしくは日本より安い発展途上国や中進国に移住して、支出を抑える形ですね。
何も新しい概念というわけでもなく、会社員なら駐在員はまさにその恩恵を享受していますよね。
数年の駐在で、2~3,000万円の資産構築ができた人はゴロゴロいます。
メイン拠点を安い地域に設定すれば、年間の収支で見た場合、かなり支出を抑えられていることに驚くかもしれませんね。
デュアルライフで発生するデメリット
- 固定費が増加する
- 帰還リスクの発生
- 追加変動費
- 長く住まないと分からないこともある
固定費が増加する
地理的アービトラージで支出を抑えられるとはいえ、2か所の固定費が発生します。
特に「家」ですね。賃貸を借りる場合、単純に2か所の費用がかかります。
後は移動にかかる交通費などもかかります。
帰還リスクの発生
2021年の12月、日本行き国際線航空券の新規予約停止を、国交相が各航空会社に要請するというニュースで大騒ぎになったのは記憶に新しい事象です。
すぐに撤廃されましたが、日本人の帰国も禁止するという、とんでもないことを国が行うこともありえるわけですね。
ただし2022年1月時点で、外国人の新規入国に関しては原則停止を継続しており、世界各国から冷めた目でみられております。
日本以外は経済対策にしっかりと舵を取ってますね。タイやインドネシアの東南アジアも。こういう大事なところでは同調圧力かからないんだよなー。しょうもないところで圧力かけるのに。
— チャイカプ@海外移住 (@genchisaiyou) January 30, 2022
こういうのなんていうんですかね?内弁慶?身内にだけ強めにイキりたがるジャイアン?ジャスティス野郎? pic.twitter.com/Mk0pFbMSsm
もし自分が海外に出る場合は、似たようなことをあなたが外国人として受ける可能性もありますね。
国内のみの場合、入国帰国リスクはもちろんなくなりますが、日本は災害がやけに多い国です。
私は一時帰国中に東京から京都に行ったのですが、帰りは大雨と土砂崩れで熱海の線路がふさがれてしまいました。
急ぎの案件がある人は、すぐに帰れなくなる予想外のリスクは把握しておいた方がいいですね。
追加変動費
上記のような災害時に、海外に家があるのに入国できないというケースの場合。
家を数か月借りたのに、全く住むことなく借り続ける。当然、家賃を返さない業者もいるでしょう。
海外で借りた不動産をリモートで契約解除はかなりしんどいかなと。ましてや返金となるとね・・・。
あとはコロナ禍なので、海外を行き来する際には通常の交通費以上に費用がかかります。たとえば
- 隔離期間中のホテル費用
- コロナ用の保険加入(10万$以上の補償内容含とか)
- PCR検査(日本と海外それぞれで)
ただし世論(日本を除く)は現状のコロナを普通の風扱いにする傾向にありますので、今後はこのあたりも緩まってくるかもしれません。
長く住まないと分からないこともある
短い滞在期間だと分からないことも結構あります。1番影響が出るのが気候ですね。
日本でも四季で気候が変わるように、海外にもそれぞれの国で気候が変わります。
たとえばタイを例にあげますと、乾季と雨季では雨量が全く違うんですよね。
乾季に暮らしていた家の前の道路が、雨季では冠水して毎日通れなくなるとか。
国や個々人ごとにリスクは異なるので、一概には言えないのですが、基本的にはハイシーズンを避けるといいかなと。
旅行者向けの時期は遊びやすい=快適に暮らしやすい期間でもあります。ローシーズンに検証するのが良いですね。
その方が飛行機代等の交通費も高くなりにくいですし、実際に暮らす際のデメリットも見えやすいかと。
最近はコロナで学校が強制オンライン対応をしていることも多いので、子供の学習環境を考えるなら日本の方が良いという人も増えています。
仕事、教育、生活という日々の暮らしと切れない部分は、しっかりと検討する必要がありますね。
2拠点生活に適した仕事の探し方
このような方も多くいらっしゃると思います。
特にインフラ周り、医療従事者など現場を離れることができない仕事の場合は難易度が上がりますよね。
そういう方は、まずは電車やクルマで数時間程度かければ行ける場所に拠点を持つようにしましょう。
平日は都会で仕事、週末は田舎に移動して過ごすスタイルです。
この場合は、リモートワークができる生活環境を整える必要があります。
私の周りで2拠点生活や海外ノマドをしている人の職業の多くは、リモートワーカーです。
経営者だったり、フリーランスのディレクター、Webデザイナー、エンジニアといった職種が多いです。
場所や時間に縛られずに出来る仕事に就いている人が多いですね。
まぁそれぞれの土地で非正規雇用として、日雇い労働で働くという方法もなくはないけどね。
リゾートバイト、建設作業員、などなど。ただ若いうちはいいけど、30代以降は厳しいかなと。
リモートワークの探し方は以下の記事を参照にどうぞ。
2拠点生活にかかる費用
画像参照:二地域居住推進施策のための基礎的調査
2拠点生活にかかる費用は、H22年3月に国土交通省国土計画局の広域地方整備政策がまとめた資料があります。
これによると、初期費用で約329万円、維持費(家賃や水道光熱費など)で約5万7千円かかると記載があります。
ただし、物件購入者も含んでいるのでイニシャルの初期コストが高いですね。
賃貸の場合であれば、月額5~6万円の家賃で、初期費用で30~40万円、維持費用が年間100万円~+交通費くらいを目途に始めるとよろしいかと。
無理してよい物件に住んでも、維持費でコストがパンクして過剰な労働に繋がっていたら意味がないですよね。
無理なくストレスなく始められるように、最初は規模を小さく始めていきましょう。
タイと日本のデュアルライフでかかった費用の内訳については、以下の動画をご参照ください
年間費用は約440万円程度かかりました。
2拠点生活の物件の探し方
2拠点生活向けの物件は色々とありますし、かなり検討しましたが、その中でも私のオススメはunitoです。
メリットは以下のとおり。
- 契約は「敷金・礼金なし」
- 最短1ヶ月から住める
- 家具家電付きの部屋(有り)
- 家を利用しない日は、ホテルとして貸し出すことで、家賃が下がる
- 住民票を置いておくことができる
- コワーキングスペースがある物件もある
- お試しで1~7泊プランもある
特に家を使わない期間の家賃減額がおいしい。詳しくは以下の記事を参照にどうぞ。
長期間のデュアルライフなら
最初は賃貸でいいと思いますが、本格的に移住する予定があるなら、物件購入もありです。
たとえば各自治体と提携している空き家バンクであれば、安い物件を見つけやすいですね。
その際は色々と補助金を利用するといいですよ。たとえば
- 改修補助 最高30万円
- 若年移住者 上記+10万円
こんな感じで、すぐに住めない物件でも改修費用の補助がもらえますね。
一般財団法人移住・交流推進機構のページを見ていると色々あって面白いです。
色々な自治体が移住者(特に若者)を呼び込もうとしていますね。
場合によっては賃貸でも出る補助金があるので、長期在住なら色々と見ておくのがおススメです。
海外で物件を探すなら
海外で賃貸物件を探すのであれば、日本と同じように不動産会社へ・・・というわけにはいかないかもです。
日本人が多い地域であれば日本語or英語での対応もありますが、国によっては現地語しか通じないケースも多々あるでしょう。
また、無事に借りれた場合も色々と問題は起こります。
引っ越し1か月で見つかった不具合
— チャイカプ@海外移住 (@genchisaiyou) January 31, 2022
・電気がつかない
・お湯の調整が極端(熱湯)
・洗濯乾燥機の乾燥機が動かない
何かしらあるとは思ってましたけど…
乾燥機は3回目の修理でようやく治ったぽい😅
部品が無いという言い訳を聞きながら3か月経過、毎週土曜日の朝が消えてたのが、ようやく解放です。 pic.twitter.com/Mg3RbFYwp1
私はバンコク市内で引っ越しをするたびに何かしら小さな?トラブルにあっています。
ほかにも夜間のセキュリティが微妙だったり、何かあったときに現地語しか通じないとか。
先ほどのデメリットでも申し上げましたが、季節が変わることで初めて分かる被害とかもありますからね。
バンコクに長期で住める賃貸のご紹介はしています。
賃貸物件をお探しの方はお問い合わせよりご連絡ください。
無料にて実際に空いているコンドミニアムやアパート(5,000B~100,000B)をご紹介いたします。
2拠点生活の仲間が増えたら嬉しいですね。
まとめ
- 国内デュアルライフの年間費用は約150万~400万円(単身、家族世帯含む)
- 海外とのデュアルライフでは年間費用は約440万円(単身)
- 長期前提なら、まずはローシーズンの移住から
それなりに費用はかかりますが、それを超えるメリットが多々あるのが2拠点生活です。
仕事、教育環境、物件など暮らしを始めるにあたり色々と準備さえ整えていけば、かなり現実的になりますよね。
去年はタイ⇆日本の2拠点生活でしたが、日本に行くなら日本で2拠点生活してる人にもお会いできたら楽しそうだなと妄想
— チャイカプ@海外移住 (@genchisaiyou) January 17, 2022
良さげなら、ちょっと遊びに行くキッカケにもなるし。日本と地方だけじゃなくて、日本と海外だとさらに面白い
旅行じゃなくて、ある程度住んでるからこそ分かることってあるしね
実際に2拠点生活をしている人とはぜひ仲良くしたいので、お気軽にTwitterで絡んでいただけたら嬉しいです。
(DMは見逃す可能性高いので、リプがありがたいです)
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タイ中心に部屋で働くのが好きな人です。
【経歴】新卒ブラック社畜→ニート→海外就職+副業→週3リモートワーク→デュアルライフ(日本↔タイ)
人材業界のRACAとして計7年以上活動し、現在は事業会社のRPO(採用代行)や複業キャリア講師としてフリーランスで活動中。
35歳から副業で複数サイト運営しながら、2021年からタイで金融投資(米&全世界)を開始。
2031年からサイドFIRE予定です。
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